DUAL LIFE PRESS デュアルライフプレス

無理せずにできるところから田舎暮らしをしたい。 二地域居住を実現するヒントや情報をお届けします。

タグ:長野県

ソフトバンクグループの孫正義代表が、
全国の耕作放棄地や休耕田を使って
大規模なソーラーパネル発電を推進する
「電田プロジェクト」を立ち上げました。

大震災以来、ツイッターで際立った発言を
繰り返してきた孫社長ですが
その行動力には敬服するばかりです。

個人的にはメガソーラー発電には
ネガティブな思いを抱いています。
というのも、かなりの規模の土地を必要としますから
休耕田とはいえそれだけに農地を利用するのはもったいない。
これまで原発やハコモノに頼ってきた
税金を振り向けるインフラ整備資金が
メガソーラーにとって代わるだけではないのかという
思いを拭い去れない部分もあります。

とはいっても、孫社長がしたたかなビジネスマンだと思うのは
全国19の道県と組んでこのビジョンを立ち上げたという点にあります。

既存の電力会社に対抗しうる発言力をもつには
ある程度大きな発電規模や
自治体と連携した働きかけが必要と見込んでのことでしょう。

まとまった発電規模になって初めて
発送電分離やスマートグリッドを
議論の俎上に載せていく力となります。

「電田プロジェクト」に合わせて
全国の屋根に太陽光パネルを設置して
2000万kwをまかなう
「屋根プロジェクト」を同時に視野に入れているのも
流れとしては当然のこと。

自然エネルギーで本当に有力だと思われる
地熱発電など、何を先にするということではなく
それぞれが同時に進んでいけばいいのではないでしょうか。


このプロジェクトが発表された
「自然エネルギーの普及活動に関する緊急記者会見」について
孫社長のほかに登壇した首長を列記しておきます。

秋田県   中野 節 副知事
埼玉県   上田清司 知事
神奈川県  黒岩祐治 知事
長野県   阿部守一 知事
静岡県   川勝平太 知事
三重県   江畑賢治 副知事

このほか以下の都道府県の代表者が列席しました。
北海道、山梨県、岡山県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県



地元武蔵野で行われた
C.W.ニコルさんの講演会に行ってきました。

ニコルさんといえば、以前取りあげましたが
黒姫で「アファンの森」という
森林再生プロジェクトを手がけています。


ニコルさんは英国・南ウェールズの生まれです。
おじいさんがニコルさんに話す故郷の森は
夢のような憧れの場所でした。

でも、ニコルさんが生まれる前にはすでに
産業革命が到来し、石炭が採掘され
鉄道に敷設する枕木の需要のために
森がどんどん失われていくんですね。

そして、森は一般庶民が
自由に入れるところではなくなりました。
貴族だけが狩りのために
サーモンやキジ、ウサギ、鹿などを狙って遊ぶ
立ち入り禁止の場所になったのです。

第二次世界大戦のころになると
石炭は石油に代わります。
炭鉱は失業者であふれ、
廃墟のようになっていきます。

炭鉱のある町に生まれ育った
ニコルさんにはそれが原風景なんです。

幼い頃、ニコルさんは
北極探検隊の16ミリ映画を見て
戦争をしない、工場をつくらない民族である
イヌイットに強烈に惹かれるようになります。

結果的に、ニコルさんは両親の反対を振り切って
17歳のときに北極探検隊(カナダ水産調査局北極生物研究所)の
お手伝いに加わることになるのですが、
それはそれは感動的な日々だったと
身ぶりを添えて話してくれました。

カナダ水産調査局の極地探検が一段落し
22歳になってから、ニコルさんは初めて日本にやってきました。

14歳から柔道を学び、空手に憧れを抱き
東京の空手道場に修行に来たのだそうです。

東京での生活は、これまで体験してきた自然環境とは
まったく異なり、耐えられないものがありました。
見かねた同僚が山に連れて行ってくれた。
かんじきを履いて、というからには冬山ですね。

そこでニコルさんは感動します。
落葉樹の大木が雪のなかにあるという光景に。

英国では雪が降らず、ヨーロッパでも
雪が降るような場所には針葉樹しかありません。
日本の山は東京から数時間で行けるだけでなく、
そこには英国では970年前に絶滅してしまった
野生の熊がいました。
また、貴族でもない普通の地元の人が
キジや鹿、山菜、きのこを自由に採って食べている。

「日本はすごい!」

これが、ニコルさんが日本に住み始める
動機になったのです。


ニコルさんは1980年に黒姫に居を構えます。

02年には1万坪の山野を自費で購入し、
荒れた森の自然を復活させるプロジェクトを始めます。

その後、土地を買い足して4万5000坪になり、
現在は財団に寄贈して9万坪にまで森は広がりました。

アファンの森には絶滅危惧種の
動物が26種類戻ったといいます。
山菜は137種、キノコは400種類以上を確認。
フクロウも戻ってきた。

いまではアファンの森で採れた木材で家具をつくり、
家は純国産の材木で建築しました。

それから養護施設に預けられた
子供たちを森へ連れていくプロジェクトも行っています。
親がいるにもかかわらず
施設に預けられる子供は
7割にも達します。

森では木に吊るされたロープに登ったり
アーチェリーをしたり、川遊びをしたり
ご飯をつくったり、動物や昆虫を観察したり……

すると、彼らの心の窓が開いていく。

森は周囲の自然環境を変えてくれるだけでなく
傷ついた心までをも癒してくれる。

ドイツの森の面積はほぼ日本と同じですが
ドイツは木材を自給自足しています。
林業に携わる人々は100万人。
一方の日本は5万人。
それも60代以上がほとんどです。


「日本の森はつくり直せる」

森を再生することが、
水や食料の問題を解決へと導き
人間性を回復することになるのだと
ニコルさんは言います。

日本、というのは人だけでなく、
この国のトンボや鹿、アリ、鮭、スズメ……
こうした生き物や樹木、すべてが日本なのだと。

北に流氷、南にサンゴ礁があるのは
日本だけ。

311以後であるからこそ
ニコルさんの言葉が深く心に沁み込んできました。



イギリス・ウェールズ出身、作家のC.W.ニコルさんが
長野県の黒姫に居を構えておられるのは知っていたが、
里山の環境を保全するために、自ら少しずつ土地を買い増し、
森を拡張する運動をしているのは知らなかった。

ニコルさんの考えに共鳴する人たちによって
「NPO法人アファンの森」が2001年6月に生まれ、
現在は「財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」として
活動を続けている。

荒れ果てた放置林のヤブを刈り払い、
枯れた木を伐採して風通しをよくし、
その風土に合った木を植樹して森を再生していく。

人が自然に積極的に関わっていくことで
森や林の「生命の環」がバランスを保ち、
すばらしい環境に変えていくことができる。

手をかけるというのは何も自然を破壊することではなく、
そこに生息する植物や動物にとっても
有益であることを教えてくれる。

財団が管理する森はまだ十分な大きさではなく、
生き物のための森という考え方に基づいているために
一般に開放はされていない。
人が入ることで生態系が簡単に変わってしまうという。

それでも年に1回、
サポーターに対して森を見学する機会を設けている。

日本で自然を維持するということがどれだけ難しいかを
ニコルさんは身を持って体験している。
それだけに95年に日本国籍を取得した意味は重い。

こうしたネットワークが広がっていくことが
豊かな未来へつながっていくのだと思う。

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