DUAL LIFE PRESS デュアルライフプレス

無理せずにできるところから田舎暮らしをしたい。 二地域居住を実現するヒントや情報をお届けします。

カテゴリ: 古民家再生

豊かさってなんだろう。

山形にあるこの物件を見たとき、
しみじみと考えさせられた。

山形市のとなり、
中山町にある「タガマヤ村」。

1200坪の敷地にある古民家。
壁には昭和のレトロなホーロー看板。
薪で焚くかまど、蚊帳が似合いそうな和室、
小屋には卓球台、お茶を飲みたくなる縁側、
庭の木には秘密基地のような展望台が……。

ここを一日、まるごと一軒借りて過ごすことができる。

基本料金1万円プラス、
平日1000円/一人、土日祝前日2000円/一人。
最大20人まで宿泊することができる。

食事は出ないが、バーべQや囲炉裏端でのごはんなど、
自分たちで好きなように使うことができる。

庭で夜空を見ながら入れる「月見風呂」は
まさしく自然のなかの五右衛門風呂。


地元山形に住む人よりも
都会に住む人が反応してしまうのは、
そこには夢に描いたような田舎の古民家があり、
仮住まいではあれ、安価で好きなように生活ができるからだろう。

ここでどう過ごすかは、利用する人の自由だ。
友達を誘って、盛大な飲み会をやろう。
料理人を連れてのパーティもおもしろい。
近くの温泉巡りの拠点に使おうか。

リゾートホテルや高級旅館に泊まるよりも
もっと自由で、もっと豊かな遊び方ができる。

日本の「新しい観光」はもう動き始めている。
使う人、受入れ側の“感度”が上がってくれば、
もっともっと地方は楽しくなる。

山梨県笛吹市の芦川町では、
生態系を保全するビオトープで
農薬や化学肥料を使わない自然農法が体験できる。
このグリーンツーリズムを実施しているのは
てんころりん村」。

週末には都会からの参加者を対象に
「農業体験」+「生態観察」+「田舎体験」を組み合わせた
イベントも行われている。

4月の種まきにはじまり、
7月には大豆の芯を摘む「大豆の頭打ち」、
「じゃがいも掘り」などが行われる。
農業体験のあとに生物観察などをして、
釜でご飯を炊いたり具だくさんの味噌汁を作るといった
農家の一日を体験するというものだ。

近くには茅葺古民家の「農啓庵」がオープン。
これは古民家を宿泊体験できるようにリフォームしたもので、
ひとり1泊3000円で利用できる。
薪で焚く五右衛門風呂は、なかなかほかでは体験できない。

田舎体験ツアーのような観光旅行ではなく、
土地の人とふれあいながらじっくりと田舎を体験してみる。

交流居住のモデルケースとして、
人や自然との出会いを求めている人に薦めたい、

築150年以上の古民家を改修し、
会員制農家民宿として貸し出して
空家を活用している物件がある。

茨城県常陸太田市(旧里美村)の「荒蒔邸」。
平成14年6月から営業されている。

平屋建てで囲炉裏のある板張りの部屋のほか、
7畳〜15畳までの部屋が5つあって、
いかにも田舎の一軒家暮らしが楽しめる。

利用者は年間1万円の会費を支払い、
会員1口につき4〜8名まで、ひとり1泊3000円で宿泊可能。

これは古民家を修復して保全したい地元の思いと
安く二地域居住を楽しみたい都会の人のニーズが合致した
非常に可能性のある試みだ。

開業資金は約400万円強。
そのうち行政が200万円を補助している。
年間の賃料は約50万円弱が見込めるため、償却の目途もたつ。

このような古民家が増えてくれば、
会員がもっと増えるだろうし、
人を迎え入れる基盤が整備され、
地域住民の考え方も徐々に変わっていくだろう。

古民家再生プロジェクトについて
引き続きもうひとつ。
丹波古民家再生プロジェクト」を紹介します。

丹波篠山といえば黒豆など
京野菜を供給する町という印象がありますが
篠山市の中心には徳川家康の命により築城された篠山城の
御壕と石垣の跡がいまも残されています。

周辺には町家や武家屋敷の名残があるのですが、
現代のライフスタイルに合わないこと、
町家を保存・改修するには費用がかかることなどから
古い伝統建築物が壊されていく傾向にあります。

こうした伝統的な街並みを保存するために
伝統的意匠を残しながらボランティアで改修していく
プロジェクトが進められています。

NPOの「町なみ屋なみ研究所」は、これまで町家の改修や
古民家再生のアドバイスを手がけてきました。
自分たちの手で解体し、躯体を補強し、最後の壁塗りまで行いながら
店舗としての活用も含めたコーディネートをしています。

篠山の歴史と、街並みの保存価値に気づいた
住民の方々によって運営されており、
新しい店舗や事業をはじめてみたい方の
心強いサポートになってくれるはずです。

日本の県はほぼすべて行ったことがあるのですが、
(行ったことないのが和歌山となぜか奈良!)
旅をしていて強く印象に残っている町のひとつが尾道。

斜面に家屋が密集し、階段を上り下りしないと家までたどり着けない、
なかなか住むのにはたいへんな町なのですが、
民家の合間にある空き地から対岸の向島を見ていると
悶々として過ごした高校時代のことを思い出していました。

なんだろ、不合理みたいなものと向き合って
生きていかなきゃならない現実があって、
感情を押し殺しながらも
自分の将来とか、夢とか、
希望をなんとか見出そうとしている頃。

景色を見ていると思い出すんですよね。


海とか川って必ずどこか他の土地につながっているから
海を眺めていると、自分はいつかここを離れるんだ、
という自立心が強くなる。

連絡船乗り場で
自転車ごと乗り込む地元の高校生の表情がまたいい顔で、
暗い表情のなかにも強い意思を読み取れる。

思索的な、文化を感じる町なんですね。

長野の松本も同じ匂いがしたんだよな。

ともに大好きな町なんですけど。


さて、そんな尾道で、
尾道空き家再生プロジェクト」というNPOがあるのを知りました。

道路が狭くてクルマが行き来しにくいために
なかなか流入人口がなく、
高齢化が進んで空き家が増えているんですね。

あの斜面こそが、尾道のアイデンティティのはずで
それが廃墟と化していくのは非常に残念なことです。


2008年にNPO活動をはじめ、物件の再生のほか、
コミュニティづくりやアートを取り入れて活性化を図ろうとしています。

尾道ガウディハウスなんていうのもあるんですね。
リンクを張っておきます。

もう一度、尾道に行きたくなりました。

新潟県十日町市と津南町の越後妻有地域では
里山全体を美術館に見立てた「大地の芸術祭」という
世界最大の国際芸術祭を開催しています。
3年に1度のイベントで、2000年のスタート以来、
次回2012年の第5回に向けた準備が進められています。

たとえば棚田にアートの造形物がある景色は
それ自体異様な感じがしますが
でも、自然のなかに現代美術が溶け込むことで
その土地のもつ自然のパワーや
楽しさ、よろこびみたいなものが増幅されます。

地元の人のその土地を愛する想いが
そこを訪れる人々とうまく共有できている
イベントになっていると思います。

現在も里山のなかで常設展示されているものが
ありますが、そのなかのひとつ、
100年以上も続いた小学校の廃校に温泉を引いて
宿泊施設に改装した「かたくりの宿」が、
5月15日から宿泊をはじめました。

校長室を女湯に、
音楽室や図書室は部屋になったという
この秋山郷結東温泉「かたくりの宿」。

秘境ですが、地元の食材で作る手料理と合わせて
ぜひ体験してみたい場所のひとつです。









いきなり田舎に行って定住するというのはなかなか難しいけど、
移住のために自治体やNPOが支援してくれる地域であれば
受け入れ側の体制も整っているので
地域の人になじみやすいという側面があります。

和歌山県の紀美野町もそういった定住支援サポートの整った町。
きれいな清流のある里山で、山椒や南高梅、柿が特産物です。

大阪などから移住する人も増えてきており、
借家住まいを続けながら古民家を自分で再生するご家族もいます。

きみの定住を支援する会
http://www3.plala.or.jp/kiminoteiju/index.html


毎日新聞 住まいナビ
「古民家を自力で改修したい」
http://mainichi.jp/life/housing/news/20100510ddm013100023000c.html

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